動産屋と行政書士A氏体験談

私は8年ほど前に国家試験に合格し、諸手続きを踏んで晴れて行政書士として働き始めることができるようになりました。ただ、私の場合は少しばかりイレギュラーなケースかもしれません。私は既に自営業で親から受け継いだ不動産屋を経営しています。いわゆる街の不動産屋といった地域密着型の小規模な会社で、私と同じく宅建の資格取得をしている妻と、もう一人パートの事務員さんとの三人で回しております。

我が家は代々不動産屋を世襲して受け継いでいますが、その商業スタイルはかなり受け身です。管理業務や賃貸物件の仲介、数は多くはありませんが不動産売買の仲介をコンスタントに行い、安定的な経営は続けられていますがあまり発展を感じられるような営業スタイルではありません。そのため、私の代で少しでも会社の営業基盤を広げられたらということで行政書士の資格を取得することにしました。

仕事内容としては、その名の通り行政へ提出する書類についての作成や申請を代行することです。私たちは日々の生活の中で税金を払い、行政からのサービスを受けるというバックグラウンドを持ちますが、行政への申請が必要となった際には適切な書類を提出し、申告しないといけません。その際、普段見慣れない書類や、法律的によく意味が分からない書類を扱わなければいけないことも少なくないため、そのようなときに行政書士が間に入り、書類を作成するので「代書屋」と呼ばれることもあります。

具体的に取り扱う書類は主に許可認可(許認可)に関わる提出書類ですが、私が扱うことが多い業務は会社の設立や建設業許可、社交飲食店の許可申請、つまりキャバクラの開業申請です。その他多くの人が身近に関わるものとしては相続や内容証明の作成など幅広いジャンルの書類を扱うため、その数は1万種類以上とも言われています。全てについて知識が深いわけではないので、自ずと得意分野に特化していきますが、私の場合は不動産事業と連携して行えるものが自ずと特化しています。

賃貸物件を紹介して契約までの仲介手続きを行うのが私の扱う不動産屋では頻度が高いメインともいえる仕事になりますが、物件を探すタイミングで会社設立や建設業許可、風俗営業許可申請の仕事が舞い込むことが多いのです。

そのようなお客様に必要であれば従業員の方の寮や社宅の斡旋手続きと、一連の作業ワンセットでわが社が行っています。

 

また、新たに開業される方へオフィスの賃貸物件を仲介する場合には、合わせて古物商の許可申請や飲食店の許可申申の書類作成と申請代理までワンセットで請け負うことも多いです。開業に関する賃貸物件探しの場合は、特にサービス業の場合その立地は非常に重要です。

行政書士の資格を取得する前は、お客様の希望に対して則した物件を探すことが中心で、好立地の傾向やアドバイスはもちろんプラスしてはいたものの、あくまでも物件を紹介するというスタンスでの業務でしたが、今は開業申請までワンセットで行うことができるので、物件探しの時点から一段階深いコンサルティング業務を行うことができ、お客様からの信頼感も深まっているように思えます。物件探しから開業まで深く密な関わりがお客様との間にできるので、その仕事のでき次第では次のお客様を紹介してもらえたり、不動産屋専業の頃よりも業務の幅がかなり広がっています。

 

行政書士は書類作成が主な仕事なのでデスクワークが増えると思っていましたが、実は外回りというか外出する機会が多いです。行政関係への書類作成と申請業務が主な仕事なので、申請のために官庁省庁、役所などへ出向く機会も多く、お客様とのコンサルティングの機会も増えるので自分の会社に来てもらうだけでなく、私の方もお客様の元へ出向く機会も増えました。また、各種証明書や資料などの取得に出向くことも多いですし、書類の提出にはたいていの場合期限が設けられているので、最短で申請できるよう効率よく動かなければなりません。

 

資格取得までは妻と2人で不動産屋を切り盛りしていましたが、私が諸手続きや書類集め、コンサルティングのために店舗を留守にすることが増えたので、パートで事務員さんを雇わないとなかなか仕事がまわらない状態になっています。

 

不動産屋の仕事は直接行政と絡むことはほぼありませんが、不動産探しをしているお客様はその後引っ越しや開業に伴い、行政への手続きと隣り合わせになることが多いため、私のような仕事をしている者にとっては行政書士の資格を取得することでかなり仕事の幅が広がったと思います。

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